日本語の命令形は簡単です。書きなさい、読みなさい、しなさいなどのように、「〜なさい」または「〜てください」というパターンしかないです。マダガスカル語の場合は複雑です。例からいうと、「書きなさい」だと、[manorata]、[soraty]、[anoraty]という3パターンもあります。全部「書きなさい」という意味です。基本的に今まで説明してきた基本形と受身と連動しています。[manorata]は基本形で、[soraty]は直接目的語用受身で、[anoraty]は非直接目的語用受身です。今までのレッスンをちゃんと理解してから、ここを読みましょう。

主語を指して命令するとき、[manorata]を使います。何を書いてほしいか強調せず、とにかく「相手」が書くように頼む命令形です。[soraty]の場合は、決まった文章や文字(直接目的語)を指して命令する。[anoraty]はあまり出ていないが、非直接目的語(誰かにとか何のためにとかどこだとか)を強調するときに使うのです。「書いてあげて」あるいは「書いてくれ」というときによく使われます。

例えば、「私に(手紙を)書いて」って言いたいとき、[manorata amiko (ianao)]だと[ianao](あなた)が主語で、[anoraty aho]だと[aho]が主語になります。[soraty ny taratasy]の場合はまた違う意味で、[taratasy](手紙)が主語になって、決まった手紙を書いてほしいという意味になります。

では、各パターンの構成を説明します。

@まず、[manorata]の場合ですが、これは受身A(非直接目的語用)の構成から、最後の[na]を消して、先頭に[m]を付けます。

書く -> 基本形:manoratra -> 受身A:anoratana -> 命令:manorata
遊ぶ -> 基本形:milalao -> 受身A:ilalaovana -> 命令:milalaova
聴く -> 基本形:mihaino -> 受身A:ihainoana -> 命令:mihainoa
話す -> 基本形:miteny -> 受身A:itenenana -> 命令:mitenena
行く -> 基本形:mandeha -> 受身A:andehanana -> 命令:mandehana
洗う -> 基本形:manasa「マナーサ」 -> 受身A:anasana -> 命令:manasa 「マナサー」(基本形と同じ単語うになりますが、アクセントは後ろの方へ移る)

A次に、[soraty]の場合の構成です。これは受身@(直接目的語用)の構成から、後ろに[o]か[y]を付けます。[atao]種類の場合はそのまま付けますが、[iharana]種類の場合は最後の[na]を消してから[o]または[y]を付けます。単語の中にアクセントが付く[o]が既にあった場合、[y]を付けます。

書く -> 基本形:manoratra -> 受身@:soratana -> 命令:soraty
する -> 基本形:manao -> 受身@:atao -> 命令:ataovy
変える -> 基本形:manolo -> 受身@:soloina -> 命令:soloy
探す -> 基本形:mitady -> 受身@:tadiavina -> 命令:tadiavo
言う -> 基本形:milaza -> 受身@:lazaina -> 命令:lazao
見る -> 基本形:mijery -> 受身@:jerena -> 命令:jereo

B最後に、[anoraty]の場合の構成です。これは「受身A」(非直接目的語用)そのまま、最後の[ana]を取って、[o]か[y]を付けるだけです。

書く -> 基本形:manoratra -> 受身A:anoratana -> 命令:anoraty
話す -> 基本形:miteny -> 受身A:itenenana -> 命令:iteneno
行く -> 基本形:mandeha -> 受身A:andehanana -> 命令:andehano