動詞(基本形)の構成についての話です。受身と命令形を説明するために必要なので先に話しておきたいです。やはり、マダガスカル語をマスターするために、受身の理解が重要です。
基本形の動詞はこういうふうに構成されています。
[m/n/h]+[a/an/i]+語根
例えば、
mijery (見る) = m + i + jery
matory (寝る)= m + a + tory
manisa (数える) = m + an + isa
[m/n/h]は現在、過去、将来を示すものです。これは今後もう説明しないので覚えてください。
mianatra = 勉強する、または勉強している
nianatra = 勉強した
hianatra = 勉強するでしょう
[a/an/i]は接頭辞のようなものです。ない場合もあります。他にもまだありますが、後で説明します。この接頭辞は動詞によって付くものが決まっています。はっきり決まったルールはないが、言えるのは以下のとおりです。
1.[i]と[an]がほとんどです。[a]または[なし]は非常にすくないです。ない場合の例ですと、[mody (帰る) = m + ody]とかです。
2.同じ語根に[i]と[an]を両方付けられるとき、[i]の動詞が自動詞で、[an]の動詞が他動詞です。
例えば、
mivoaka = 出る、mamoaka = 出す
mitsangana = 立つ、manangana = 立てる
3.上記の例でもわかりますが、接頭辞と語根をつなぐところで、文字が消えたり、変ったりする場合があります。それは、発音がしやすくするためと考えてよいと思ってよいです。 もうちょっと簡単な例で説明しますと、[mamboly]という動詞があります。植えるという意味です。語根は[voly]ですが、接頭辞[an]と語根[voly]をつなげると[anvoly]ではなく[amboly]になります。
[a/an/i]以外の接頭辞はいくつかあります。
1.[ana]
語根が形容詞の時によく出てくるパターンです。例えば、「よい」という形容詞から「よくする」という動詞が作れます。そのとき[ana]接頭辞を使って、[m+ana+形容詞]という動詞ができます。「〜する」という意味です。
例えば、
tsara=よい → manatsara=よくする、改善する
lava=長い → manalava=長くする、伸ばす
2.[iha]
[iha]も語根が形容詞のときによく使います。動詞の意味は「〜なってきている」または「〜なりつつある」です。
例えば、
mihatsara=よくなってきている、よくなりつつある
mihalava=伸びている
3.[aha]
[aha]からできる動詞は「〜できる」という意味です。これは形容詞には限らない。[mahay](できる)という動詞からできた接頭辞だと思います。ニュアンスがあったりするので、以下の例でよく考えてください。
mahatsara=よくできる、よくしてくれる
mahatsara ny vatana io fanafody io = その薬は体を快復させてくれる。
tonga=来る → mahatonga=来させる
Inona no mahatonga izany? = それの原因は何ですか。
lany=なくなる → mahalany=なくせる
mahalany vary betsaka Rakoto=Rakotoさんはたくさんご飯を食べれる。
最後に、[if]と[amp]という接頭辞でできた動詞について話します。普通の動詞をさらに先頭の[m]の後[if]か[amp]を付けることができます。
1.[amp]の場合は、「〜させる」という動詞ができる。
mijery=みる → mampijery=みさせる、みせる
manao=する → mampanao=させる
mody=帰る → mampody=帰らせる
※mianatra=勉強する → mampianatra=教える
2.[if]の場合ですと、「〜しあう」という動詞ができる。何でも付けると意味のない動詞ができてしまうので意味をよく考えて使いましょう。大体、誰かに何かできる動詞にしか使えないです。そうすると、お互いに何かするという意味が成り立ちます。
mandefitra=譲る → mifandefitra=譲りあう
manampy=手伝う → mifanampy=お互いに手伝う
manoratra=書く → mifanoratra=お互いに書く(手紙とかメールとか)
[if]は接頭辞[i]の動詞に使えないので、[if]+[amp]にします。
mijery=みる → mifampijery=お互いにみる(私はあなたを、それからあなたは私をみる)
※mifampianatra=教えあう
以上です。